眠り姫は夜を彷徨う
人を外見だけで判断することは間違いだと分かってはいるけれど。
「ん?如月、その腕どうした?」
桐生がふと彼女の左手に巻かれた白いものに気づいて問い掛けた。
「あ、これですか?」
指摘された左手を軽く目線まで上げて彼女は首を傾げた。確かにそこには白い包帯が巻かれている。
「実は私もよく分からないんです。朝起きて気づいたら痣になってて。私、寝相悪いから寝てる間にどこかにぶつけちゃったんだと思うんですけど…」
「おいおい。どんだけだよ」
そんな会話が聞こえてくる。そんな二人を横目に。
(そういえば彼女…。前は、よく本宮くんと一緒に学校来てたよな?確か幼馴染だとか言ってたっけ…)
二人と同じ小中学校出身の生徒たちの間では、二人の仲の良さは結構有名らしい。最近は、昔程一緒にいる姿を見なくなったという話も聞くけれど。
(幼馴染…ね)
小さな頃は一緒にいても成長とともに距離が離れていくなんて話はザラにある。特に男女間でのことなら尚更だ。逆に、恋愛等に発展するパターンもあるにはあるのだろうが。
それでも、さり気なく彼女を観察してみる。
(そう言えば…。この子も髪が長い、な)
編んでいる髪をほどいたら、それなりの長さになるのではないだろうか。
掃除屋の特徴と言えば、まずあの長い髪だ。まるで舞うように長い髪をなびかせてガラの悪い男たちを片っ端から倒していくその姿は、一度見たら忘れられない程に印象的だ。そして、その華奢な身体のどこにそんな力があるのかと思う程に、暗がりに立ち尽くすその後ろ姿は儚い。
(彼女は…。言っちゃ悪いけどイメージが違いすぎるよな…)
「ん?如月、その腕どうした?」
桐生がふと彼女の左手に巻かれた白いものに気づいて問い掛けた。
「あ、これですか?」
指摘された左手を軽く目線まで上げて彼女は首を傾げた。確かにそこには白い包帯が巻かれている。
「実は私もよく分からないんです。朝起きて気づいたら痣になってて。私、寝相悪いから寝てる間にどこかにぶつけちゃったんだと思うんですけど…」
「おいおい。どんだけだよ」
そんな会話が聞こえてくる。そんな二人を横目に。
(そういえば彼女…。前は、よく本宮くんと一緒に学校来てたよな?確か幼馴染だとか言ってたっけ…)
二人と同じ小中学校出身の生徒たちの間では、二人の仲の良さは結構有名らしい。最近は、昔程一緒にいる姿を見なくなったという話も聞くけれど。
(幼馴染…ね)
小さな頃は一緒にいても成長とともに距離が離れていくなんて話はザラにある。特に男女間でのことなら尚更だ。逆に、恋愛等に発展するパターンもあるにはあるのだろうが。
それでも、さり気なく彼女を観察してみる。
(そう言えば…。この子も髪が長い、な)
編んでいる髪をほどいたら、それなりの長さになるのではないだろうか。
掃除屋の特徴と言えば、まずあの長い髪だ。まるで舞うように長い髪をなびかせてガラの悪い男たちを片っ端から倒していくその姿は、一度見たら忘れられない程に印象的だ。そして、その華奢な身体のどこにそんな力があるのかと思う程に、暗がりに立ち尽くすその後ろ姿は儚い。
(彼女は…。言っちゃ悪いけどイメージが違いすぎるよな…)