雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。





――ガラガラ....




扉を開け、近くにある椅子に座った太陽。
私も、太陽の横にある椅子に座る。




どちらも何も話さない。




たかが数秒、数分の沈黙だったのかもしれない。
でも、私には何時間もの沈黙のように思えた。




何か話そう、そう思ったとき。




「美雨」




太陽が優しい声色で、私の名前を呼んだ。




「な、に?」



「俺は、柏木と付き合ってないよ」




そうハッキリとした口調で、力強く言った。


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