雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。





だけど、中学の時の太陽の言葉を思い出す。




『美雨のこと好きじゃない』という言葉を―――。




そう言っていたのに、いいのだろうか。
期待をしても。




少しの不安を持ちながら、太陽がなんて答えるのかドキドキしながら待つ。




「くくっ、美雨のいいように解釈してよ。」




喉を鳴らしながら、楽しそうに言った太陽。




その声が、その話し方が、雰囲気が。
あの人に似ていた――――。




だから、呟いてしまった。





「雨.....男、くん?」





彼の名前を――――。




無意識に呟いたその名前に、太陽の目が少しだけ見開いた....ように見えた。


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