雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
∟記憶の片割れ
「もう、いいっ」
言って、くれないのなら。
何も言ってくれない、太陽。
太陽は、いつも大事なことを教えてくれないね。
雨男くんになった理由も。
私への気持ちも。
言葉の意味も。
きみは、そうやって上手くはぐらかすんだ―――。
太陽の顔を見ないように、私は自分の荷物を持って、太陽の横を通り過ぎた。
その途端。
―――ズキ、ズキ...ズキズキ...
何か硬いもので頭を殴られたような痛みが、頭にはしった。