雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
Rain*Love 4

∟自分のために






「えー、この文は紫式部が――...」




先生の声が少しずつ遠くなっていく。




だめだめ...っ
手の甲を自分で抓(つね)る。




今は、古典の授業中。
私は、只今、眠気と闘っている。




私が暴れてしまった日から、さらに数日がたった。気付けば、5月が終わろうとしていた。




今年は、梅雨の始まりが遅く、雨の日があまり続かない。




ただ、それだけなのに。
それだけなのに、私はそれを。




太陽のことは、詮索するな。




そう言っているように思えてしまう――。


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