雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
「美雨、唇を噛むな。」
優しい声色で、頭に伸びていた手を、今度は私の唇に落とす。
「......っ」
「ご飯も、ちゃんと食べてないだろ?」
何かをわかっているかのように、そう聞いてきた。
私は、心配をさせたくなくて、目を逸らしてしまいそうになった。でも、なかなか逸らすことができない。
だって、太陽の目がちゃんと話せと言っているみたいで。
私は、気が付いたら、首を縦にふっていた。
「ごめんな」
顔を下に向け、それがどこか悔しそうに見えるのは、気のせいだろうか。