雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
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嫌でも忘れることができないあの日。
その日も雨で、俺は、美雨からもらった、世界にたったひとつの虹色の傘をさして、一緒に帰っていた。
すると、キキキ――ッッ!!!!と、急ブレーキ音が響いた。
美雨がトラックに轢かれそうになった時、俺は、美雨を咄嗟に守ろうと、包み込むように抱きしめた。
その途端、美雨を抱きしめながら空を舞った。でも、すぐに身体中に激痛がはしる。
いくら美雨を包み込むように抱きしめたとしても、美雨を完全に守れるわけもなく――。
重い瞼を開けて、美雨を見ると、頭からたくさんの赤い水が滝のように流れていた。
なんとかして美雨を助けたいと思うが、体が重くて動いてくれない。