雨の日に傘をさして、きみにアイにくる。
『ねえ、太陽く~ん。
二人で夜、抜け出そうよ~』
「ねえ、太陽く~ん。
二人で夜、抜け出そうよ~」
あれ...?
語尾を伸ばして、可愛く言っている柏木さんの声が、ハッキリと私の耳に聞こえた。
そして、ちらりと私の方を見てから、不敵な笑みを零した。
それが少し怖く感じて、柏木さんからパっと視線を逸らす。
『あいつ、やっぱ太陽くんのこと狙ってるよ!?』
「あいつ、やっぱ太陽くんのこと狙ってるよ!?」
また、だ。
この会話なんて初めてするのに、なのに。