伊東さんの運命の相手はクズでした。




「知り合い?」

「高校生時代からのストーカーです」

「へー、伊東さんも門星(かどぼし)出身なんだ。凄いね」

「・・・まぁ、そうですね」

「俺もそっち受ければ良かったわー」


丘の上に堂々とそびえ立つ超名門、小中高一貫の私立門星学園、通称門学をここらでは知らない人は居ない。



ワインレッドのブレザーに紫のネクタイやリボンは目立つが有名デザイナーがデザインしただけあって制服目当てで受ける人もいるらしい。



俺も門星受けてたら多少この性格どうにかなってたかななんて思うが青春時代はとっくの前におさらばしてる。無念。



「遠藤先生は受けても落ちてたと思います」

「えー、俺これでも学年一桁には毎回いたんだけどね」

「いやそういうことじゃなくて」


じゃあ何?と聞こうとしたところでクロくんが別の先生に呼ばれた為会話は中断されてしまった。


やべ、話してる場合じゃなかった。
さっさと昼飯突っ込んで午後のカンファレンスの準備しないと。


頑張れ俺。
明日は休みだ。
今頑張ればきっと良いことがあるはず。


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