伊東さんの運命の相手はクズでした。
とびきり美人でも無ければ不細工でも無い。
なんならウチのクロくんの方が美人。
寝てる家主と釣り合いそうなごく普通の女だった。
第六感で分かる。こいつは彼女だと。
やべ、怒るかな。泣くかな。
修羅場嫌だなー怠いと口には出さないがもうこの状況をどうすることも出来ない。
取り敢えず気まずいの嫌だしなんか会話しとこ。
「あ、もしかして君こいつの彼女?」
なんとも白々しい会話の切り出しだ。
アホらし。こんな朝から訪ねて来るのは家族か彼女しかいねーわ。
「え、まぁ、そんな風に呼ばれてましたが」
彼女は泣きもせず怒りもせず、ただ淡々と返答をしてくれた。
その反応に思わずこっちが驚く。
もしや「そう言うのをわたち分からないよぉ〜!赤ちゃんはコウノトリが運んでくれるんだよねぇ〜?」とか言う女?
勘弁してよ。
そう言う天然系とか砂吐くくらい嫌い。