伊東さんの運命の相手はクズでした。
これはこれは。
あの日修羅場になりそうだった現場でぐーすか気持ち良く寝て居た彼氏さんではないか。
「違うんだ結子、あれは、その、」
「あぁ、いいよ。別に私偏見とか全く無いし。バラしたりもしないから」
どっかの誰かのせいでそこら辺のご理解ご協力は出来るし。
まさか事後に出くわすとは思ってなかったが。
「結子・・・!」
「それが理由では全く無いんだけど別れて欲しい」
親友の「あたしがいる前で言うのかよ・・・」と言う独白は無視。黙ってろ。
「い、嫌だ!」
もう、なんだよ煩いな。
ハイそうですかって言えよ、お前が別れないっていう権利は無いんだよバカ野郎。
私はやっぱり恋愛に向いて無いことが再度確認したんだし、もう暫く恋とか愛とか見たく無いんだ。
正直あの現場に出くわした時、普通だったら少なからず何かこいつに対して思うことがあるだろうけど私はそんなの一切無かった。
悲しいとか、そう言った感情は全く。
ただ、私やっぱりこいつのこと好きじゃなかったんだなぁってぼんやりとそれだけ思った。