【完】それでもいいと思える恋だった。
捺くん。捺くん。
いつも以上に、あなたと過ごした日々を思い出す。


泣きそうになる。
鼻の奥がツンっとする。


泣いちゃだめ、ダメですよ。
泣きたくなる気持ちをグッと堪え。
捺くんの隣に並ぶために駆け足でかけよる。


隣に並んで横を見ると。
小さい頃、そこまで変わらなかった身長も。
今じゃ見上げないと顔が見れなくて。
体格差もどんどんできてきて。


声変わりをした捺くんの声は。
小さい頃の天使みたいな声とは一変。
低くて落ち着く声に変わった。


指定のリュックも。
同じものなのに私のと捺くんのだと違うものみたい。
なんでだろう。


それに、顔立ちだってどんどん変わっていく。
綺麗になったなあ、捺くん。
元々綺麗だったし。きらきらだったけど。
今は少し違う。
ドキドキしちゃうから、チラチラっとしか見れない。


もうまともに真正面から顔見れないからなあ。
盗み見して、ドキドキして。
顔が赤くなって。両手で覆う。
そうして、記憶を紡ぎ合わせて捺くんの顔を思い出す。
近くにいても、中々見れない。
緊張しちゃう。


今日は昨日とは違って晴れていて。
夕日が辺りをオレンジ色に染める。



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