【完】それでもいいと思える恋だった。
それでも毎日俺のもとへ駆け寄ってきて。
捺くん、ってばかみたいに笑いかけてくれる姿を見たら。
そんなイライラ、どうだってよくなった。
いっそのこと、俺しか見れなくなればいいのにって。
そう思ったりもした。
高校だって。
東高、余裕で行けるし。
でも、香織は無理だから。
香織の勉強は俺が見ないとだめだから。
香織が行ける、北高でいい。
俺がいない所で香織に手を出すやつがいても困るからな。
ずっと俺の傍にいればいい。
それで、俺を好きになればいい。
そう思ってたのに。
なんだよ、転校って。
高校がどうとかそんな次元じゃない。
手の届かない場所に、行ってしまうのかよ。
そう思ったら自分の感情の制御ができなくて。
今あったら確実に傷つける。
その自信があったから。
あの日以来、香織を避け続けている。
初めて、登下校を一緒にしなかった。
顔を合わせない日が来るなんて思ってもなかった。
それでも、会いに行けなかった。
今日も香織が帰るのを確認して。
俺の方が歩くの速いから。
追いついてしまうといけないから。
……追いかけてしまいそうだから。
捺くん、ってばかみたいに笑いかけてくれる姿を見たら。
そんなイライラ、どうだってよくなった。
いっそのこと、俺しか見れなくなればいいのにって。
そう思ったりもした。
高校だって。
東高、余裕で行けるし。
でも、香織は無理だから。
香織の勉強は俺が見ないとだめだから。
香織が行ける、北高でいい。
俺がいない所で香織に手を出すやつがいても困るからな。
ずっと俺の傍にいればいい。
それで、俺を好きになればいい。
そう思ってたのに。
なんだよ、転校って。
高校がどうとかそんな次元じゃない。
手の届かない場所に、行ってしまうのかよ。
そう思ったら自分の感情の制御ができなくて。
今あったら確実に傷つける。
その自信があったから。
あの日以来、香織を避け続けている。
初めて、登下校を一緒にしなかった。
顔を合わせない日が来るなんて思ってもなかった。
それでも、会いに行けなかった。
今日も香織が帰るのを確認して。
俺の方が歩くの速いから。
追いついてしまうといけないから。
……追いかけてしまいそうだから。