【完】それでもいいと思える恋だった。
最終話
「これで荷物は以上です。」
朝、事前に荷づくりした段ボール箱を。
引っ越し業者さんのトラックに詰め込んでいく。
家族3人分の荷物はそんなに多くなくて。
あっという間に詰め込みが終了した。
「父さんと母さんは車で行くけど、香織はどうする?」
「友達とお別れしたいでしょうし、電車で来たら?」
「そうします。」
「これ、電車の乗りかただから。
分からなくなったら駅員さんにちゃんと聞くのよ。」
「分かりました。」
「じゃあ、先行くな。」
「はい、気をつけて下さいね。」
「香織もな。」
そう言ってお父さんとお母さんと分かれる。
この後は希美ちゃんと会う約束をしているから。
その足で、そのまま駅まで向かう。
「希美ちゃん!」
「香織!」
「お待たせしました。」
「全然、眠れなくて早く来ちゃったし。」