【完】それでもいいと思える恋だった。
もう、声も聞こえない。
我慢していた涙が流れ出す。


電車が発車しても捺くんは走って追いかけてくれて。
でも、追いつけなくて。


電車は捺くんからどんどん離れていく。
捺くんの姿は見えなくなって。
私は、そのまま床にしゃがみこんだ。



「……っ捺くん、捺くんっ!!」



こらえていた涙がどんどん溢れ出す。
私、笑えてましたか?
泣いてても、ちゃんと笑顔になってましたか?


捺くん。好きです。
大好きです。


好きな捺くん、増えましたよ。
私を愛おしそうに見つめて笑う捺くん。
新しい顔、見つけました。
1番です、ナンバーワンです。
ずっと、ずっと、いちばんです。


捺くん、捺くん。
離れたくないです。
寂しいです。今、寂しいです。
早く、会いに来て下さい。
待ってます。
今度は、私が待つ番です。


でも、早く来て下さいね。
好き、の2文字は言えなくて。
でも言わなくても伝わってくる、想いが。
それだけで私は、捺くんを待っていられる。



< 39 / 42 >

この作品をシェア

pagetop