【完】それでもいいと思える恋だった。
「雨女じゃないです!」



「はいはい、傘持ってる?」



「折りたたみありますよ。」



「俺忘れたから入れて。」



「いつも持ってこないじゃないですか。」



「香織が持ってるからいいんだよ。」



「ふたりだと狭いのに……。」



なんだかんだいってもふたりで傘に入って帰る。
触れ合う肩が熱くて。
ドキドキする。


私は捺くんの事が好きだ。
小学校の時、バレンタインのチョコを渡す時に気付いた。
去年まではどうってことなかったのに。
どうしてかあげる時恥ずかしくって。
渡せなかった時があった。
その時、捺くんはぷんすか怒っちゃって。
家まで取りに来たんだっけ。


顔真っ赤になりながらも渡したら。
捺くん、すっごく喜んでくれて。
その笑顔見て、ああ好きだなあって思ったんだよね。


あれから気持ちを伝えずに時が流れて。
もう中学2年生になってしまったけど。
相変わらず私たちの関係は変わらなくて。
友達以上恋人未満。
というか、もう家族みたいな感じ。


< 4 / 42 >

この作品をシェア

pagetop