【完】最期のラブレター
虫の居所が悪くなったのか。
不服そうな顔をしながら男子達は教室を後にした。


やっと目障りなの去った。
これで帰れる。



「あ、あの……。」



倒れこんでいた亮くんはいつの間にか立っていて。
私の方を向いていた。



「なに?」



「さっきはその、ありがとう。」


「いや、お礼言われるような事してないし。」



「でも助けてくれた。」



「あれは、私の気分が悪かっただけ。
 別に亮くんのためじゃない。」



「り、亮くん!?」



「え、あ、ごめん。
 名字、知らなくて。」



「渋谷です。」



「ああ、渋谷くん。」



「亮でいいよ。」



いいならつっこむなよ。
名前呼ばれただけで顔赤らめるし。
女子みたい。


< 12 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop