【完】最期のラブレター
「亮くんさ、やり返さなきゃいつまでたってもこのまんまだよ?」



「やり返したいけど、僕力ないから……。」



「……確かに弱そう。」



身体は細いし、私より身長低いし。
おどおどしてるし。
そりゃ狙われるよね。


いじめなんて、するのばかばかしいし。
どうせたいした理由なんてないんだろうけど。
目ざわりとか、理不尽な理由なんだろうけど。
でも、いじめられてるほうがこれじゃいつまでたっても平行線だ。



「……私が守ってあげるよ。」



「えっ。」



「さっきみたいなの見せられるくらいなら。
 亮くん守る方がまし。」



「ひ、広田さん……。」




「真知でいいよ。」



これが私と亮くんのなれそめ。


それから私は亮くんと一緒に過ごすようになった。
幸い私は一人でいる方が好きだったから。
面倒くさい女子のグループとかに入ってなかったし。
亮くんは空気読める人だったから一緒にいて楽だった。


それに、知れば知るほど亮くんがいじめられる理由が分からなかった。


確かに見た目はぼさっとしてるし。
喋りかたはドモるし、おどおどしてるし。
時々イラッてくる時もあるけど。



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