【完】最期のラブレター
慣れれば全然そんなことないし。
趣味合うし。よくテレビのネタで盛り上がるし。
それに本も読んでたから。
ふたりでよく図書室で時間をつぶした。


こうやって本の感想を言い合ったりするのは初めてで。
ひとりでいる時よりも楽しかったのを覚えている。


それに、笑った顔が可愛い。
前髪で顔が隠れててよく分かりにくいけど。
よく見たら整った顔してるし。
笑顔には不覚にもドキってした。


私が階段で転びそうになった時。
腕を引っ張って助けてくれた時があった。
その時の力は私より全然強くて。
ちゃんと男子なんだってことを自覚した。


それでも私がいない所でいじめられることはあって。
その度に前に立ってかばって助けたことを覚えている。


助けた後にありがとうって、言ってくれる。
笑ってくれる。
それが嬉しくて。
私は、また助けてしまう。


結局いじめはなくならなくて。
亮くんは転校することになった。


小学校三年生の一学期の間だけだったけど。
亮くんと過ごした時間は楽しくて。
1番、幸せな時間だった。



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