【完】最期のラブレター
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「亮ね、学校から帰ってくると真知ちゃんがって。
 すごく楽しそうだったの。
 転校してからは、あまり聞かなくなったんだけど。
 高校始まって少ししてから、真知ちゃんがいるって。
 嬉しそうに話してくれたの、今でも覚えてるわ。」



私と同じ学校って、そんな早くから知ってたのか。
声、かけてくれればよかったのに。
……あの亮くんなら無理か。


それからぽつりぽつり。
高校での亮くんの話を聞かせてくれた。


小学校の時、引っ越してから。
亮は私の言葉を参考にして行動をして。
いじめられることはなかったらしい。


でも、中学に上がってから。
前の小学校で同じだった子が一緒なクラスで。
そこからまたいじめが始まった。


その事実を、お母さんは知らなかったそうだ。
今思えば不自然なことはたくさんあった。


夏場でも長袖のシャツを着ていたこと。
よく靴が新品になっていること。
水をかぶって帰ってきていた事もあったらしい。


一度、前髪をざっくばらんに切られて帰って来た時は。
いじめを疑ったらしいけれど。
頑なに違うと言い放った亮くんを前に。
お母さんは何も言えなかったらしい。


中学の外的いじめが多いことから一転。
高校は、精神的ないじめが中心になった。


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