【完】最期のラブレター
死んだら、死んでしまったらしょうがないじゃない。
どうしようもないじゃない。


どうしてくれんのよ、この気持ち。
どう、責任とってくれるのよ。
誰が私を幸せにしてくれるのよ。


……両想いなのよ?
なのに、あなたが死んでちゃ。
両想いなのに、片想いじゃない。
しかも、永遠に片想い。


好きだと伝えたくても、伝える事も出来ないじゃない。


ばか、ほんとばか。
……私のばか。



「好き。」



渋谷亮。
同じ学校の、男の子。
昨日まで知らなかった、忘れていた人。
なくしかけた記憶を、思い出させてくれた人。


記憶の中のあなたはいつも泣いていて。
いつも私の後ろにいた。


いつの間にか、私の知らない所であなたは傷ついて。
もうどうしようもないくらいにボロボロになっていて。
守ってあげられる存在の私は。
助けを求めているあなたに気付いてあげられなかった。


それでもあなたは、私を好きだと言ってくれた。
たった一回、助けただけの私を。
こんな私のうしろ姿を好きだと言ってくれた。



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