【完】最期のラブレター
月曜日には自殺の事なんてすっかり忘れていて。
渋谷亮という名前は脳内から綺麗に無くなっていた。



「おはよー真知。」



「おは~。」



「今日めっちゃ寒くない?」



「もう11月も終わりだからね~。」



「まじやばい、タイツ出さなきゃだし。」



「生足辛いよね。」



「わかる。」



「おっす、真知、トモ」



「おは~。」



友達と合流して話せば寒さもまぎれて。
校門をくぐってからは小走りで下駄箱へ向かう。


うちの学校暖房設備悪いしなあ。
がんがんエアコンつけてくれればいいのに。


寒さに悪態をつきつつ下駄箱のふたを開けると。
ひらり、1枚の手紙が足元へ落ちてきた。


何事かと思って拾ってみてみると。


真っ白の封筒の表に、広田 真知さんへ。
裏面の右下に、渋谷 亮より。


ただそれだけが、書かれていた。



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