【完】最期のラブレター
「え、なにこれ。」



「ん?どしたどしたって、えええ!?!?
 真知ラブレターもらってるじゃん!」



「マジか、やるなあ。誰からよ。」



「渋谷亮って人。」



「渋谷亮?誰それ。」



「え、待って。それってさ。
 先週自殺したって……。」



シブヤリョウ。
……あ、うちの学校の自殺したってニュースの。



「こわっ。怖いんですけど。
 幽霊が?真知何かした?」



「失礼でしょ。あれでしょ。
 死ぬ前に好きな人に告白しておきたい的なやつ。」



「だからって、後味悪すぎじゃん?
 死人からのラブレターなんて気持ち悪いだけじゃん。」



いや、気持ち悪くはないけどさ。
真っ白な封筒。それが悪意のあるものには見えなくて。
糊付けされた部分を丁寧にはがしていく。
ふたりはちょっとおびえた様子で遠目で見てるけど。
不思議と私は、怖いとは思わなかった。


1枚の便箋。
二つ折りにされたそれをゆっくりとめくると。
真ん中の行にただ一言。


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