【完】最期のラブレター
なにかを決心したのか少し待ってと言ったきり、応接間を出て行った。
5分くらいたっただろうか。
1枚のメモを持って再び、椅子に座りこんだ。



「これ、渋谷くんの家の住所。」



「いいんですか?」



「みんなには内緒ね。」



「ありがとうございます!」



「あっ、広田さん。」



「はい?」



「あの、月曜日の2限の授業って何かしら?」



「月2は体育ですけど。」



「そう。」



「なにか?」



「ううん、いいの。行ってちょうだい。」



「失礼します」



お辞儀をして、職員室を後にする。
きっとわかる、何かわかるはず。
喉元まで出かかってるのに。もどかしい。
そのもどかしさをどうにかしたくて小走りで渋谷くんの家まで向かった。


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