この暴君、恋すると手に負えません
#4 大人の恋愛事情
あれから暴君の甘い囁きが耳から離れなかった。
無事に親睦パーティーは終了し、ちょっとした打ち上げを行う事になった。とはいっても、暴君、光希さん、私の三人のメンバーだ。
そして現在、すっかり泥酔した光希さんに私は悪戦苦闘中である。
「ねーねー、虹美ちゃんっていくつなの?」
「......26ですけど」
「じゃ僕らより3つ下なんだぁ。今は付き合ってる人とかいるの?」
「いません」
「じゃ今度一緒にどこか出かけない?」
「おい光希!!お前なぁ、酔うと女に絡む癖どうにかしろ!!」
静まり返ったバーのカウンターに暴君の荒い声が響き渡った。
すると光希さんは相変わらずの緩い笑みを浮かべて、隣に座る私の腕に自分の腕を絡ませてきた。
「帝くんはずるいなぁ。只でさえモテるのにこんな可愛い子を自分の傍に仕わせてさぁ」
「ちょっ、光希さん!?」
すると光希さんは意味深な言葉を不意に呟いたのだ。