この暴君、恋すると手に負えません


ーーこの男はやはりずるい。

横暴すぎるほど強引なのに、ふとした時にその綺麗な笑みを向けるなんて。

全て計算しつくされたものだと頭では分かっていても、心臓の高鳴りは止むことがなかった。

やがて天蓋付きの大きなキングサイズのベッドの前まで運ばれ、暴君は自分の膝の上に私を降ろした。

そのまま私を優しく抱き締めながら、互いの額を重ね合わせて小さく笑った。

「やっと誰にも邪魔されずにお前といられる」
「......み、帝さん?もしかしなくても酔ってます、よね?」

すると暴君は私の頰に悪戯にキスをした。私がきょとんとした顔をして瞬きをすると、嬉しそうに笑ってまた頰にキスを落とした。


「......酔ってるかもな?お前に」
「な、何言って…...っ」


ーーその時だった。


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