この暴君、恋すると手に負えません
「きゃっ!?」
急に暴君が私を下にして押し倒してきたのだ。上から私をあの妖艶な瞳で見下ろす暴君がいて、不覚にもそのまま見惚れてしまう。
「......何だよ今のかわいい声。俺を誘ってるのか?」
「ち、違います。びっくりしただけでっ」
悪戯な笑みを浮かべた暴君はそのまま私の耳元に唇を押し当て、吐息混じりに甘く囁いた。
「......もっとかわいい声、聞かせろよ?」
あまりの色気溢れる声に思わず体がびくりと反応してしまう。その反応を楽しんでいるのか、私の首筋に沿うように暴君は唇を滑らせる。なんともいえない感覚に私は小さな声を洩らした。