この暴君、恋すると手に負えません



でも言われてみれば、桐生さんは男性にしては小柄で細くて、声も少し高い。眼鏡と長い前髪で見え隠れしているが、小顔で中性的な顔立ちをしている事をふと思い出した。

そういえば桐生さんのフルネームも知らなかったし、勝手に男の人だと思い込んでた。

桐生さんごめんなさい。
そう心の中で謝っていると、不意に光希さんは私の顔を覗き込む。

「僕も話があるって言ったでしょ?聞いていい?」
「......はい、何ですか?」


その時、光希さんの表情が一変した。


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