この暴君、恋すると手に負えません
「虹美ちゃんって本当は帝くんのボディガードじゃないでしょ?」
光希さんは柔らかい口調で話しながらも鋭い目で私の表情を見ている。あの契約の事をふと思い出すと否定しきれなかった。
光希さんは勘がとても鋭い人なのだと知ると、私は暫く言葉を選び黙り込んでしまった。
しかし、その沈黙を先に破ったのは光希さんでも私でもなかった。
急にエレベーターが復活した動き出したかと思えば、三十階地点で何故か止まったのだ。私たちは一階以外のボタンは当然押していない。
扉が静かに開いた時、目の前に私たちを睨みつけている人物が待ち構えていた。
そう、其処にいたのはーー......。