この暴君、恋すると手に負えません
私が辿り着いた答えは、桐生さんは誰かを庇って嘘をついているということ。
何故、嘘をつく必要があるのか。
人が嘘をつくには大きく二つの理由がある。ひとつは自分を守る為の嘘、もうひとつは自分以外の人を守る為の嘘。
恐らく桐生さんの嘘は後者だろう。だとするとーー......。
「......もし、私の考えがあってたらXの正体って......っ」
ーーその時だった。
私の背後に近づく影が忍び寄っていることに気づいた。私は恐る恐る後ろを振り返る。すると其処にいたのはーー......。