この暴君、恋すると手に負えません
「......帝さん以外に桐生さんがそう想う人は私は一人しか知りません。だからXの正体は光希さん、貴方しかいないんです」
そして光希さんはそのまま言葉を失ったかのように呆然としていた。私は光希さんに歩み寄りながら言葉を続ける。
「これは罪ですよ!?どうしてあんな危険な事をしたんですか!?」
私の訴えに我に返った光希さんは、とても冷たい目で私を見つめて答えた。
「......帝くんは僕から円華を奪ったからだよ。それがずっと許せなかったんだよ」
「それでも光希さんがした事は罪になります。帝さんに本当の事を伝えましょう?桐生さんのためにも」
「......じゃ、君を消したら僕の罪を証明する人間はいなくなるよね?」
「えっ?」
その時、光希さんは突然懐から鋭利なナイフを突きつけた。