この暴君、恋すると手に負えません
「他は平気か?虹美」
「あぁ、はい。ありがとう、ございます」
私は綺麗に貼られた絆創膏を眺めながらぽつりと呟いた。そして窓の外を見つめていると、とある高級住宅地の地上を飛んでいることに気づく。
その中でも群を抜いて煌びやかなお屋敷がどんと構えているのが見えた。
ーーそう、其処はこの暴君、朱鳳帝の住む豪邸だ。
上から見る限り、坪は推定でも東京ドーム五個分はありそうだ。