この暴君、恋すると手に負えません


「それは私がお前と同じ執事養成所の卒業生だからだ」
「ちなみに桐生は歴代に残る最短一年で卒業した有能な執事だ」

暴君が誇らしげに告げると、桐生さんは少し照れたように眼鏡を直していた。


ーー桐生さんってそんな凄い執事だったんだ。


傍観してばかりの私は知らされる真実の数々にただ驚いているばかりだ。すると呆気に取られていた瑛斗は我に返り、突然焦った様に周りを見渡し始めた。

「......今、何時ですか!?」

瑛斗の様子がおかしい。
急に顔を青ざめて危機迫ったように問い掛ける。


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