この暴君、恋すると手に負えません
「あの、帝さん」
「何だ?」
「桐生さんから聞いたんですが、ずっと傍に居てくれたんですよね?ありがとうございます」
珍しく私が素直になったせいか、暴君は一瞬驚いたように目を丸くしていた。そして私の額にそっと口づけを落としてから、悪戯な笑みを向ける。
「たまに素直になるとこも可愛いもんだな?」
「か、可愛くないですから」
「じゃ、お前が可愛いくなるような事でもしてやろうか?」
「な、何言ってるんですか朝から!」
そしてそんな私の声などこの暴君には届かず、あっさり押し倒されてしまった。おまけに両腕をベッドに押さえつけられてしまい、身動きが取れない。
目のやり場に困ってしまい、視線を泳がせていると耳元で甘く囁かれてしまう。