この暴君、恋すると手に負えません


「もともと男より男らしくて、喧嘩も強くて俺は憧れだったんだけどさ。保育園の時に俺がいじめられてたらいつも守ってくれたじゃん?」
「あぁ、男のくせに女みたいな顔してるって男子にいじめられてたよね」
「そうそう!それでいつも虹美が容赦なくいじめっ子倒してくれて、その時に虹美が俺にはヒーローに見えたんだ」

あまりにもベタ褒めな瑛斗の言葉に、私は羞恥心でいっぱいになってしまう。昔から思ったことを素直にストレートにに伝えるところも相変わらず変わっていないようだ。

「それに守られる側だから分かるけど、守ってくれる人がいるってすごいほっとするんだよ。だから俺もいつか誰かを守れるくらい強くなりたいって思ったんだ」
「でもそれならボディーガードとか目指せばよかったんじゃない?」

私の突っ込みに瑛斗は困ったように眉を下げて笑いながら答えた。


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