この暴君、恋すると手に負えません



「すごく綺麗、こんなバラ初めて見ました」

様々な彩りの高貴なバラはまるで目の前にいる美しき暴君のようにも見えた。一枚ずつ花びらの色が違うのも、それは彼の様々な一面を表しているように感じる。

「その花の名はレインボーローズって言うんだと」
「へぇ、詳しいですね帝さん」
「当然だ、ちなみに花言葉も知っている」
「へぇ、なら教えてくれますか?」

私は少し挑発的に尋ねると暴君は私の左手を掴み、そのまま膝を立てて腰を落とした。


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