この暴君、恋すると手に負えません
「......後で話がある。私の部屋で待ってる」
ーーえ?
私が呆然としていると、様子を見ていた帝さんが立ち上がり歩み寄る。物凄い怒りの形相で誉さんを睨みつけながらこう呟いていた。
「ふざけんな、虹美に何の用だ?」
「安心しろ、話がしたいだけだ。襲ったりしないさ、遊ぶ女には困ってないからな」
その余計な一言に帝さんは誉さんに掴みかかろうとしていた時、私はその帝さんの腕を掴んだ。
「......虹美」
「わかりました」
すると帝さんは力なく手を降ろして顔を俯かせた。誉さんは満足げな笑みを残しその場を後にしたのだった。