この暴君、恋すると手に負えません


「ある時、帝も同行させて大事な取引先の会長と会食をしている時に不審な人物が紛れ込んでいたんだ。そいつが拳銃を所持していて、会長を脅すつもりだったらしいが、感情が昂ぶったのか誤って発泡してしまった。俺は帝を庇おうとしたが、その俺の盾になった結依はそのまま......」


その時、私の頰には気づいたら一筋の涙が伝っていた。


ーー帝さんが私にこだわってた理由も、私と結んだあの契約も、全ては結依姉ちゃんと重ねていたからなの?



「......それから帝は俺の事を父親と認識することを拒むように、誉って呼び出してな。当時の俺も女遊びが趣味のような男だったから、本妻にも逃げられるわで、きっと神からの罰だと思い今も受け続けている」


その時、突然誉さんは立ち上がり私に歩み寄った。私は何故か恐怖を感じて動けずにいたが、負けじと睨みつけていた。



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