この暴君、恋すると手に負えません
#10 有能執事らの思惑
ーー三ヶ月後。
間も無く師走を目前にしたある日。
私は腰まで伸びた長い髪を美容院で切ってきたところだった。
今は肩ににつくほどのボブまで短くなっていて、自分でも驚くほど気分もすっきりしている気がした。
美容院からの帰り道、私は駅近の高層ビルのモニターをふと見上げる。そして映し出されたニュースに、私は立ち止まって見入ってしまった。
ーーそう、其処には帝さんと玲奈さんの婚約会見をしている姿が映し出されていたのだ。