この暴君、恋すると手に負えません
「……噂をすれば光希からシナリオが完成したと連絡がきた。おまけに新たなメンバーも加えたらしい」
「……それって、もしかして?」
「桐生と ハチだ」
案の定、私の予想通りだった。
「お前にもちゃんと連絡して伝えたんだぞ?どうせ電源切ってて気づいてすらなかっただろ」
「……重ね重ねすみません」
「まぁいい、誉の気を逸らすにはこの三ヶ月は無駄じゃなかったしな」
そう言って帝さんは私の頭を優しく撫でてくれた。私は照れくさげに顔を俯かせながらも大人しく撫でられていた。
「そういえばお前、髪切ったよな?」
「あぁ、ちょうど今日の午前中に切りました」
へぇ、と声を洩らしながら帝さんは頭を撫でていた手を顎に滑らせ、ぐっと持ち上げながら顔を寄せた。