この暴君、恋すると手に負えません
「……正気ですか?」
私はこの時、助けを求めた人物を誤ってしまったと後悔していた。
「うん、僕は誉さんと手を組むよ」
その光希様は悪戯を思いついた時の子どものような笑みを浮かべていた。この笑顔を浮かべている時の光希様は大抵--……。
「……何か、考えがあるのですか?」
「うん。円華もハチくんもそんな不安な顔しなくて大丈夫だよ?僕は帝くんを裏切るようなマネはしない」
「じゃ、どうしてこんな事を……?」
すると光希様は窓際に歩み寄り、背を向けたまま答えた。