この暴君、恋すると手に負えません



「待たせたなって、お前ら何見つめあってんだ?」
「「別に見つめあっていません!!」」

互いの言葉が重なると再び睨み合った。その様子を見た暴君は可笑しそうに笑っている。

「なんだもう仲良くなったのか?」
「「仲良くなんかなってません!!」」


またしても言葉が重なると暴君は一人だけ楽しんでいた。そして用件を済ませた桐生さんはそのまま会釈して部屋を後にした。


「虹美、また移動だ。俺についてこい」
「は、はい」


一体この豪邸は幾つ部屋があるのだろうか。私は暴君に言われるがままに再びまた別の部屋へと導かれていくのだった。


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