この暴君、恋すると手に負えません
するとその時、今度は私の携帯の着信音が鳴り響いた。作業着のポケットに入れっぱなしだったため、慌てて探り出す。
非通知で出ていいものか悩んでいると、暴君は私から携帯を取り上げ勝手に応答した。
「はい」
『あ、美作叶(みまさかかなえ)さんの親族の方ですか!?』
「あぁ、はい」
「ちょっと!!何勝手に出てるんですか!?」
私が携帯を暴君から奪い返した時、信じられない言葉を耳にするのだった。
『此方××病院です。実は美作叶さんですが、ガードレールを突き破った大型トラックと接触事故に遭いまして。大変申し上げにくいのですが、我々が向かった時には既に息を引き取られておりましてーー......』