この暴君、恋すると手に負えません





ーー嘘だ。





私は一瞬にして頭が真っ白になり、そのまま力が緩み携帯を床に落としてしまう。その衝撃でスピーカーに切り替わり、目の前で怪訝な表情を浮かべていた暴君にも内容が伝わってしまうのであった。


『美作叶さんのご遺体ですが、現在××病院でお預かりしておりますので緊急外来の窓口からいらしてください。よろしくお願い致します』


そして電話が切れた瞬間、あの暴君も動揺は隠せず目を大きく見開いた。その隣で私はただ呆然としていることしか出来なかった。


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