この暴君、恋すると手に負えません
「帝さんはどういう事ですか!?説明してください!!」
私は今までにないほどの羞恥心でいっぱいで、涙目になりながら必死に訴えかける。すると帝さんは私の腕を掴んで、落ち着けと宥めるように呟く。
「さっきの俺らの愛の誓いを会場にいるやつら全員に見せてやったんだよ。瑛斗にライブ動画を撮らせてな?」
--やっぱり。
「帝様、今連絡がきて報道陣たちが皆帰っていったそうですよ!」
「分かった。ハチ、お前は先に戻っててくれ」
瑛斗はそのままカメラを片手に姿を消していくと、残された私はただ黙って帝さんを睨みつけていた。
「おい、そんな顔するなよ」
「……させたの誰ですか?」
「お前は今日からこの俺の妻になったんだ。日本中に自分の妻の顔を見せつけて何か問題でもあるか?」
「いやいや大有りですけど!?」
「まぁ、いいじゃねぇか。こうして俺たちは誰にも邪魔されずに結ばれたんだから」
悪戯に吹き抜けた風が帝さんの長い前髪を揺らした。そして帝さんが前髪をかきあげる仕草に思わず見惚れてしまう。