この暴君、恋すると手に負えません
「虹美、ちょっと付き合え」
「どこに?」
「いいから来るんだ」
今度は一体どこに連れていくつもりなんだろう?
私は大人しく帝さんの導くがままに歩き出す。屋敷を抜け出して広い庭園の奥にまで足を運ぶと、温室のような姿が見えた。
そして帝さんが扉を開いた瞬間、甘い香りが鼻を擽った。
エスコートされて中に入ると、其処に広がっている光景に私は驚きが隠せなかったのだ。
「…………綺麗」
--いつのまにこんな場所を作ったのだろう。