この暴君、恋すると手に負えません
”あの日”も祖母の作ってくれたお弁当を片手に現場へ向かい、雨上がりのコンクリートの匂いに包まれながら作業をしていた。
そして、私たちが昼食を食べている時に事件は起きたのだ。
お弁当を広げると、私の大好きな甘い卵焼き、唐揚げ、ポテトサラダという最高の組み合わせが其処にあった。
おばあちゃんの甘い卵焼きは、私の一番の大好物だ。
「いただきます」
私が卵焼きを食べようとした瞬間、突然誰かが大声を張り上げた。
「おい!!アイツがきたぞ!?」
ーーそう、アイツとはもちろん。