この暴君、恋すると手に負えません
「……すみません、帝様。私は知っていました」
最初にこのブルーサファイアのピアスを頂いた時から、これを選んでくれたのは光希様だという事に。
だって、私がまだ東堂家に仕えている時に光希様が私にこう言ってくれたから。
『ねぇ円華、サムシングブルーって聞いた事ある?』
『何ですか、唐突に』
『花嫁の純潔を象徴していてね、ブルーサファイアを指輪の内側に埋め込んで結婚指輪として贈る人も多いんだってさ。ロマンチックと思わない?』
--案外、男の人の方がロマンチストが多いというのは本当らしい。
『詳しいですね、光希様』
『ちなみに宝石に込められた意味も教えてあげようか?』