この暴君、恋すると手に負えません
「虹美、その蓋を開けろ」
「......はい」
私は言われるがままに蓋をゆっくりと開けた。すると其処にあった物を見て、私は驚きが隠せず大きく目を見開く。
そう、蓋を開けるとおばあちゃんの作ったお弁当があったのだ。
「......これ、おばあちゃんのお弁当?」
最後に食べておきたかったおばあちゃんのお弁当。
卵焼きひとつ分空いたスペースをみると、やはり昼間に食べ損ねたあのお弁当だと気づいた。
「お前が俺に手をあげるくらい大好きなんだろ?」
「......どうしてここに?」
あの時、現場に置きっぱなしだったはずなのに。