この暴君、恋すると手に負えません
「あの、護衛って具体的に私は何をすればいいのですか?」
「お前はただ俺の傍にいればいい。別に首相の護衛じゃねぇんだ、命を守れなんて大それた事は頼まねぇよ」
「でも前に危ない目に遭ったら守れって仰ってましたよね?」
「まぁ、この前みたく危ない目に遭う事のがレアだから問題ない。それにボディガードなんて所詮俺の傍に置くための肩書きだ」
ーーそこまでして何で私に拘るんだろう。
「そうだ、家に着くまでにこれ全部目に通しておけ」
「何ですか?」
私はおもむろに暴君から分厚い資料を手渡される。すると其処にはパーティーの参加者全員分のデータが細かく書かれていた。